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大阪の石井行政書士事務所は入管業務を主業務とする法務事務所です

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〒581-0095 大阪府八尾市田井中2-22 石井行政書士事務所  特定行政書士 石井孝一
TEL:072-949-5214

大阪の石井行政書士事務所は入管業務を主業務とする法務事務所です。

在留特別許可

不法滞在・オーバーステイ

あらぬトラブルを避け、不当な扱いや人権を守るためにも最低限、在留期間だけは遵守しましょう、というのは簡単なんですが、期限を過ぎての(オーバーステイ)在留理由に、

  • 結婚を考えているので離ればなれに暮らしたくない

  • 子どもを身ごもった

  • 政治や信条等の理由により本国に帰りたくない

など、こうした事例は極めて個人的で、当事者から詳しく話を聞かないと全体像がつかめないようなことが多く、それだけに解釈判断が難しく複雑です。

しかしながら、面倒だとか、やっかいだからと、逃げたり隠れたりするのが一番よくありません。そんなときこそひとりで悩まず、ぜひ行政書士などの専門家にご相談されることをお奨めいたします。きっと良き水先案内役になってくれるはずです。

在留特別許可の運用について

入管法第50条に規定する在留特別許可の解釈について少しコメントをいたします。

まず在留特別許可は法務大臣の裁量による処分行為であり、その許否判断については個々の事案ごとに、本邦での在留を希望する理由、その家族状況、生活状況、素行、内外の諸情勢その他諸般の事情に加え、人道的な配慮の必要性と他の不法滞在者に及ぼす影響とを鑑み、総合的に判断考慮されているのが現状です。

以下の事例は公開された情報に基づく資料であり、本職がHP用に加筆削除したものであります。

在留特別の事例 平成18年6月法務省入管局公開資料を参考転載

事例1

日本人父と不法在留中の東南アジア出身の母との間に本邦において出生した子(本人)が在留資格取得許可を得ることなく不法残留していたというもの。

父親と母親は婚姻しておらず内縁関係であったが、本人が出生して約1年後父母が別居、以後本人は日本人父の監護・養育を受け、小学校4年生として就学していたというもの。

許可の内容:在留資格「定住者」、在留期間「1年」

事例2

本国において同国人の父と日本人母との間に出生・成育し、在留資格「4-1-16-3」(平成元年法改正前の在留資格)及び在留期間「1年」の上陸許可を受けて入国し、在留期間更新許可及び在留資格変更許可を受けて本邦に在留していたが、その後在留期間の更新又は在留資格の変更を受けることなく不法残留したというもの。

地方入国管理局に不法残留者であることを自らが申告。他に法令違反が認められなかった東アジア出身の歳男性。

許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」、在留期間「3年」

(事例3) 南アジア出身の29歳男性

在留資格「就学」及び在留期間「6ヶ月」の上陸許可を受けて入国、その後在留期間の更新又は在留資格の変更を受けることなく不法残留、日本人女性と婚姻して安定した生活を営んでいたというもの。

地方入国管理局に出頭し不法残留者であることを申告したもので,他の法令違反が認められなかった南アジア出身の29歳男性。

許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」、在留期間「1年」

事例4

成田空港から本邦に不法入国、ホステス等として稼働していたというもの。

不法入国者として摘発を受けたが,摘発の1か月前から日本人男性と同居しており、同男性と婚姻した。

当該女性は3年前に別の日本人男性との間に子をもうけており、同子も在留資格を取得することなく不法残留していたが婚姻した日本人男性が同子と養子縁組し、3人で同居生活するというもの。

不法入国以外の法令違反が認められなかったので、子についても本人とともに在留特別許可された。東南アジア出身の24歳の女性。

許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」、在留期間「1年」

事例5

 成田空港から不法入国し、難民認定申請を行い難民として認定されたアフリカ出身の22歳男性。不法入国以外の法令違反が認められなかったというもの。

許可の内容:在留資格「定住者」、在留期間「1年」

事例6

在留資格「短期滞在」及び在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に入国、その後在留期間の更新又は変更を受けないで不法残留していたが、日本人女性と知り合い、同女性と同棲、子をもうけて安定した生活を営んでいたもの。当該日本人女性と婚姻したが、入管法違反により逮捕され、起訴猶予処分後に退去強制手続が執られたが他の法令違反が認められなかった東アジア出身の44歳男性。

許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」、在留期間「1年」

事例7

本国のブローカーの手引きで関西空港から不法入国したところ、来日費用と称して借金500万円があることを申し渡され、借金返済の名目で日本人男性の仲介により日本各地のストリップ劇場で稼働させられ、劇場オーナーの指示により客との売春等の行為を強制させられるなどしていたというもの。

売春防止法違反被疑者として送致されるも人身取引被害者と認められ、国際機関、在日大使館等の協力・支援を得て帰国を希望した南米出身の17歳の女性。

許可の内容:在留資格「短期滞在」、在留期間「90日」

事例8

在留資格「就学」在留期間「6月」の上陸許可を受けて本邦に入国し、そのまま不法残留した。日本人女性と同居生活を営んでいたところ、入管法違反で警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となった。

当局収容中に当該日本人女性と婚姻しており、調査の結果、逮捕時点で同居実態が確認されるなど婚姻は真摯なものであると認められた。入管法違反以外に法令違反はない。

許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」

事例9

日本人夫と婚姻し、在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に入国、その後在留資格「日本人の配偶者等」への変更許可を受け、さらに永住許可を受けて在留していたが、本人が覚せい剤取締法違反により懲役1年6月執行猶予3年の刑に処せられたが、当該日本人夫との間に2名の子(いずれも日本国籍)がおり、同夫も実刑を受けて収監されており、本人が子を扶養していること、刑罰法令違反は今回が初めてであり、十分反省していることが認められた。

許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」、在留期間「1年」

事例10

同国籍の父とともに在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に入国、そのまま父とともに不法残留した。

本人は本邦にある小学校に編入後、中学校・高等学校を卒業し、現在本邦の大学において勉学中であるところ、その間に父が所在不明となったが在留資格「永住者」で本邦に在留する同国籍の祖母の下で生活している。入管法違反以外に法令違反はない。

許可の内容:在留資格「定住者」、在留期間「1年」

事例11

在留資格「4−1−16−3」(現行法の「就学」に相当)在留期間6ヶ月の上陸許可を受けて本邦に入国、日本人夫と婚姻し、在留資格「日本人の配偶者等」への変更許可を受けた。

本人と日本人夫との間に子(日本国籍)が出生。その後日本人夫と離婚したものの、日本人の子を監護・養育していたことから在留資格「定住者」に変更許可を受け、在留期間更新許可を受けて在留していた。

ところがその後、公正証書原本不実記載罪(偽装婚のあっせん)により警察に逮捕され、懲役2年執行猶予4年に処せられ、さらに在留期間更新申請が不許可となり,不法残留となった。

なお本人は窃盗罪により懲役1年2月執行猶予3年の刑に処された前科がある。