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契約書は「法律をより知る者が、より知らない者を合法的に押さえ込む手段として使用される書類」として利用されるものであり、民法三大原則のひとつ「契約自由の原則」=の自由をより活用した者が絶対的有利な位置に立つことができる書類です。
しっかりとした要点を押さえた契約書さえ作成すれば余計なトラブルをかなり回避防止することができます。契約書はまさに転ばぬ先の杖。後悔しないためにも契約書類の作成はぜひ専門家に相談依頼しましょう。
署名とは自らが手書きで自分の氏名を書くことで自署のこと。一方の記名とは他人やワープロで書いたりゴム印を押したものであり、その違いは印(ハン)を押す必要があるかどうかです。
つまり署名は印は不要で、記名は必ず印がいる、と覚えておいてください。
また記名の場合、押印には「実印+印鑑証明書を添付」と覚えておいてください。
割印とは、二枚以上に亘る契約書等の場合にそれらが一体のものであることを示すために綴じ目にまたがるように契約当事者がそれぞれ押印する印のことです。
捨印とは、契約書面の上欄等の余白部分に当事者全員が並ぶように押印することで、些細な字句の訂正を可能にするのですが、契約書での乱用はとても危険です。
訂正印には2通りの方法があります。
訂正削除をする文字に棒線を引き、その横に書き添えるところまでは同じですが、
@訂正後のすぐ下に押印をする方法と、
A上欄の余白に「○字削除○加入」とし押印する(あらかじめ押しておく捨印とその後のやり方は同じです)方法とがあります。
消印とは、契約書などで使用する印紙に押印をすることです。消印は印紙税法で義務づけられている行為です。
止め印聞き慣れない言葉ですが、文章や金額などの数字のすぐ後ろに書き込みが可能な余白がある場合、それを防ぐために押す印のことです。
契約日が本日(4月1日)で、契約日より何日と定めた場合(さらに契約日が完全に一日=24時間ない場合)は初日不参入となります。
本日(4月1日)より10日後 → 4月11日
契約日が本日(4月1日)でない場合は、
4月1日から10日後 → 4月10日
本日(4月1日)から2週間後 → 4月15日
契約日が本日(4月1日)でない場合は、
4月1日から2週間後 → 4月14日
最後の月・年において、その起算日に応答する日の前日が末日となる。
4月1日から2ヶ月 → 5月31日
平成19年4月1日から2年間 → 平成21年3月31日
その日に取引をしない習慣がある場合は翌日が末日。
もし契約がなんらかの理由で遅滞したり履行されなくなったときに威力を発揮するものばかりを集めました。11ありますがこのなかの一つでも漏れていたら締結前にぜひ契約書に追加しましょう。
履行期間の事例としては、
商品売買などの場合に「支払は○月○日までに限る」と期限を限っておく。
存続期間の事例としては、
主に継続的取引や賃貸借等の場合ですが取引完了から○ヶ年有効、賃貸借の更新は○年」と期間を指定しておく。
物品等の引渡場所の明記と運搬費用については民法に定めがあって、特に取り決めがなければ引渡場所までの運搬費用は債務者(商品の売主)の負担となってしまいます(民法485条)ので、どちらが運搬費用を負担する場合はその明記が必要です。
契約の解除要件を明示しておく。
債務につきなんらかの不履行(不渡り、破産宣告等を含む)をなしたときは催告をした上で(催告無しに)本契約を解除することができる。
履行期限を過ぎた場合、遅延利息やそのために被った損害賠償金を請求できる旨の定めをしておく。
法人であっても実態が個人会社などの場合、個人を連帯保証人とするなどが大事です。
不動産や動産などの取引の場合、引渡以前に目的物が滅失等をした場合に関する取り決めであり、、引渡を完了していない限り、通常は売主負担となります。
売主の瑕疵担保責任(引渡後に欠陥品であることが判った場合における売主側の責任)については民法にも規定はありますが、さらにその期間や責任内容を明記しておく。
物品販売なら送料等の負担、不動産なら登記費用や税等の負担割合を取り決めておく。
分割払いなどの場合、債務不履行があれば分割払いという利益を失い、全額一括して返済を請求できる旨の定めておく。
相手方が遠隔地である場合はぜひとも定めておきたい項目。でないと訴訟になった場合、相手方の所轄裁判所での取り扱いとなり、それだけでもかなり負担となる。定めておけば相手に多大な負担を強いることができる。
金銭債務の履行を確保するためにも公正証書での作成が絶対お薦め。強制執行認諾を取り付けることで強制執行が可能となります。当事務所では作成のサポートをいたしております。ぜひぜひ当事務所の無料相談メールをください。
契約自由の原則 契約書は怖い?!
ところで事業経営者の方、取引先としっかりとした契約書を交わしていますか?
先行き不透明な経済状況下、いくら用心していても顧客や依頼人とトラブル(債権未回収など)が起こる危険性があります。
そのため、せっかく築きあげてきた事業が左前になってしまうことだってあるのですから。
今の時代の事業スタンスは専守防衛(起こる前に予防することで自衛する)が基本だと考えます。
危険性を未然に、可能な限り回避するためには、書面によるきちんとした契約書を取り交わすことがとても大事です。
単に契約書を交わしているから大丈夫だということにはなりません。
契約書が拙いため、法律的に重要な箇所が抜けていたり漏れていたら対抗するのに余計なエネルギーを使わなくてはならず、最悪の場合は単なる紙切れにすぎなくなってしまうことだってありえます。
形式だけの書面や市販の汎用契約書に頼っていてはとても危険です。今すぐ読み直してみてください。
もし瑕疵が見つかったら すぐにでも相手の合意を得て作り直すか書き換えましょう。
その際、契約書作成の専門家である行政書士に依頼し、自分の考えを包み隠さず打ち明け、行政書士にあなたの本意が十分充填された契約書を作成してもらいましょう。
民法には、私的自治(契約自由)=お上は民衆が相互で納得している取り決めにまで口出しはしないでおこうという大原則があり、強行法規や公序良俗に反しなければ当事者が自由に決めてよいことになっています。
このようなことから、たとえば一部の大手コンビニFCなどでは素人でも首をかしげたくなるような契約書を公然と作成され、流通しています。
業者が消費者と結ぶ契約書(BtoC)とは違い、商法が適用される事業者が結ぶ契約書(BtoB)には、原則として法による保護は期待できません。
事例としては物品販売などの悪質業者の場合、消費者に代理店加盟店契約を締結させ、その後で不平等な契約を押しつけてきます。
自営業は自衛業でもあることを片時も忘れないで下さい。
大企業であるから信用できるというのも大きな錯覚です。実は大企業こそが、いつの世も零細小企業を食い物にして成長している生き物であることを忘れないでください。
ぜひともきっちりとした契約書の作成をお薦めいたします。
従来型の店舗での営業不振がひどいことからコンビニFCに加盟を考えている小売店店主からこのような話を伺いました。
「実は正式な契約が済むまで誰にも言わないようにと、FCからクギをさされているので、こうして相談していることも他言しないで欲しいんですが・・・」
こう切り出す小売店店主に、行政書士は法律で厳しい守秘義務が課せられていることを説明、まずは納得してもらいましたが、契約が済むまで誰にも言わないように、とはどういうことなんだろうと不思議に思いましたので、
「口外しないでって、これからのあなたの将来を左右する大事なことを相談もなしに決めるっておかしいと思いませんか?」
と返すと、
「でも約束したんですよ、口外しないって」
そう言うと店主は少年のようにうなだれました。
訴訟社会のアメリカでは大事な契約をするときは必ず専門家に相談するのが常識です。
約束ごとを守るというのはこの店主が正直者であるという証明になるかもしれませんが、だからといって背信者でもないはず。
自分の将来がかかっていることです。この場合の正直者は決して誉められたものではないと思い、
「でも不安だからこうして私にご相談されているのでしょう? ちがいますか?」
「だったら遠慮など要りません。あなたが少しでも納得できない契約内容だったら修正を求め、それでも納得がいかないようだったら契約を取りやめればいいだけのこと。疑問点をそのまま放置しての、生半可な妥協(契約締結)は後で必ず問題を引き起こしますよ」
私はわざと声高く、言葉強く言い放ちました。
この事件の結論から先に申しますと、
このFCが迫った契約内容はFC側の能動的で一方的な権利主張、小売店主側の哀れなまでの受動的義務履行を迫る、普通の常識ではとても考えられない、ひどいものでした。
私の実家が以前、この小売店主と同じ業界に属していて、私自身も若い頃はずいぶんと世話になった方でした。
実直で仕事一筋でこれまでやってこられた小売店主の法律的無知につけ込んだ、とうてい納得できない契約内容をまざまざとみるにつけ、私は強くFC契約を止めるべきだと主張しました。
少し言い過ぎたかな、と思いましたが、私としても相談を受けたかぎりは相談者に不利なことは薦められません。
それから数日したある日、この小売店主から電話がかかってきました。
「先日はどうもありがとうございました。規制緩和と不景気とで売り上げがどんどん下がるものだから、何かしないと、気ばかり焦ってしまい、冷静な判断力を失っていたことにようやく気がつきました」
「じゃあ契約は?」
「もちろん断りましたよ」
数日前はFCに加盟さえすればバラ色の未来が待ち受けていると熱っぽく語っておられた店主が、催眠から解き放たれたかようなさっぱりと、それでいて晴れ晴れした声を聞きながら、私もなんだか妙に嬉しくなってしまい、この仕事を選んでよかったな、とつくづく思いました。
FC契約や建物賃貸借契約などは期間の長い契約です。
途中で解約するとなると投下資本の回収はおろか懲罰的なまでの違約金が待ちかまえている場合があります。嘘だと思ったら契約書をつぶさに読みましょう。
後悔をしないためにも、契約の専門家である行政書士と契約内容を充分に協議した上で、契約に臨んでいただきたいと思います。
公正証書との関係について本来契約書とは当事者間の後々のトラブルを回避させるために作成されるものです。
相手が債務を履行しないような場合(貸したお金を支払わない場合など)、いくら契約違反だからといっても、直接、相手から金品を奪い取ることはできません(自力救済の禁止)
手順としては裁判所に訴え、強制執行という債務名義を得てからでないとできないことになっています。
それではなんのために契約書を交わしたんだということになるわけですが、法の定めですからこればかりは文句を言っても仕方ありません。
ついてはいつの場合も裁判所に訴え出なければ解決できないかというと実はそうでもないありません。
契約書を作成する際、相手の承諾を得て強制執行認諾付の公正証書による契約書とすれば、それが債務名義となり、判決を経る必要なく強制執行が可能となるのです。ですから金銭の賃貸借契約などは絶対に公正証書にすべきです。
ただし賃貸人は家賃の不払いを理由としての明け渡しは主張できますが、いくら賃借人との間で強制執行付の公正証書賃貸借契約書を交わしていたとしても、家賃の強制執行まではできませんのでご留意下さい。
世の中にうまい儲け話などは絶対にありえない
むやみに署名や捨印や印鑑を押さないこと
専門家への相談は早ければ早いほど傷は浅く済む
口約束はしないで、まずは専門家に相談し、後日必ず書面を交わす
難しいと感じたら、その場で決断しない
わからないことは「わからないと答え」、まずは調べるなり専門家に相談する
友人知人の「絶対に迷惑かけない」のセリフは疑ってかかるべし。
情けは必ずひどい仕打ちとなって自分にはね返ってくる。
親しい友人からの勧誘や頼みごとは特に用心警戒をすべし
おだて、優しさ、威嚇はプロの常習手口
まともな会社は電話などでお尋ねや勧誘はしない