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交通事故のご相談を受けるたびに「不公平だな」と思うことがあります。
それはなんだかんだと言っても、加害者側は損害賠償金を出せばすむ(お金で解決)のに対し、死ぬほど(死亡もある)痛い目や辛い思いをし、さらにはいつ治るともわからぬ交通事故による後遺症というハンディを背負うことになった被害者は、人間としての尊厳(権利)を主張するためには自分自身の被害を自分自身で立証しなければいけません。これを被害者立証主義と言います。
加害者と保険会社は損害賠償の全体が確定し、それに基づいた示談が終われば「まずは、これにて、一件落着!」という気分でしょうが、被害者は一生涯、不自由になった身体をいたわりながら、いつぶり返すかわからない後遺症の影に怯えながらの生活をしいられるわけですから本当に不公平です。
保険会社は被害者側が被害請求の一部をうっかりし忘れても教えてはくれません。シビアというか実に冷徹なものです。それどころか示談が終われば「その件でしたら、ほら、このとおり、すでに解決済みですから」と示談書をひらひらさせながら門前払いをします。こうした悲惨な事態を回避するため、示談書等に必ず不測の事態に備えて但し書きを付加する必要があります。書き方については交通事故無料相談メールでご相談ください。
被害者が事故後、首筋の強ばりや手足の痺れ、雨天時の頭痛がするようになったと訴えても、肝心の医師が、事故が原因とは限らない(つまり事故との因果関係が不明である)、とのコメントや診断を下せば、今度はこの医師の診断が誤診であることを立証しなければならなくなります。問い詰めると逃げ腰になる医師もいたりします。
ついては他の医師によるセカンドオピニオンを仰ぐことになるわけですが、現実には多忙な医師がほとんどで、交通事故等のもめ事にはできれば関わりたくないとお考えの医師の方もおられますので見極めが大事です。
会社でも事故当初はあれほど同情してくれていた上司や同僚も治療期間が長引きだすと、保険金目当ての仮病か、と疑ったりするようになり、嫌みの言葉を投げつけられるどころか、仕事への支障を理由に、解雇を告げられるか、理不尽な職場転換を命じられたりもします。
受傷部位が骨折等なら治癒の予測ができますが、頸椎捻挫や腰椎捻挫など、他覚てきない症状の場合の精神的な辛さは想像を絶するほど悲惨です。
警察と救急隊員
交通事故に遭いますと、まずは警察と救急車がやって来ます。この場合、警官がよく事故の感想や過失割合を述べたりしますが、法的な効果はありません。気にしないでください。まずは現場担当官の独り言と解釈していただいて結構です。
救急病院の医師
次が救急病院の医師。レントゲンやMRIなどを撮っていただき、通院に不便でない限りは治療に通うことになります。
任意保険会社の保険マン・調査事務所
そして数日中には加害者側の保険会社の担当(大きな事故の場合は調査会社の社員が来る場合もあります)が電話で挨拶するか、大きな事故だと判断すれば直接、自宅か病室にやって来て、(治療費節減のため)あなたに健康保険使用をお願いします。軽度の負傷なら健康保険使用をお願いしません。自由診療による治療で誰が一番得をするかというと病院です。被害者は高額治療費を頂戴できるありがたい患者さんということになります。
こちらの過失割合が低い(5割未満)場合、保険会社の担当員から任意一括払いをお願いされ、同意書にサインを求められ、相手の丁重さと会社の知名度を信用し、普通は押印してしまいます。個人情報等がしっかり遵守していただけるなら治療費用等のこともあり、なんら問題ありません。ただし被害者の存在を無視した形での受傷部の直接調査や打診は拒否する旨の一文を加筆されておくと良いでしょう。
事故後、所轄警察の現場検証があります。入院中なら加害者だけが現場で立ち会います。
その後、車両の物損があれば先のその示談がありますが、ここでの過失割合は人身事故での過失割合と同じと考えられますので重要です。相手のペースに乗せられ、言われるまま、安易な承諾をしてはいけません
任意一括を承諾すると治療費は保険会社が立て替え払いをしてくれます。被害者側としては一切持ち出しがないのでこの制度は有り難い面もあります。当然というか担当医との直接接触など、悪い面もあったりしますので警戒も必要です。
症状の経過にもよりますが、事故から早くて3ヶ月、遅くとも6ヶ月もすれば、任意保険保険会社から、そろそろ症状固定では? などと問いかけてきます。休業損害がある場合は、まずは打ち切り宣言をしてきます。
さらに負傷が軽度と判断したら治療費の支払打ち切り期限の通告をしてきます。いわゆる兵糧攻めのはじまりです。ここで感情的になって激高し、話がこじれたりすると加害者側の担当が保険会社の社員から加害者依頼の弁護士に変わります。被害者にとってはイバラの道への第一歩とでもいった感じでしょうか。
被害者にとっては過払いを警戒する任意保険会社の身勝手な休業損害や治療費の打ち切りはほんとに気の毒です。被害者としては大問題、担当医と今後の治療について十分協議をすることが肝要です。治癒の可能性があるなら、任意保険会社など相手にせず、悔しいですが自身の健康保険を使い、自費で治療を継続しましょう。かかった治療費用等は示談交渉時に請求することなりますので領収書等は日ごろから整理整頓しておきましょう。
受傷した身体を元通りに戻すのが先決です。可能性がある限りは自費で治療を継続され、ようやく症状が固定した時点(治癒したか、もしくはこれ以上は良くならない状態)で自賠責保険会社を通じて、損害保険料率算出機構(調査事務所)というところに自賠法16条に基づく被害者請求を提出することになります。なお後遺症が残った場合は後遺障害等級認定申請をすることになります。申請には被害者請求と任意保険会社からの請求(事前認定)があります。納得のいく認定を得るためにはぜひ被害者請求をお薦めします。
弁護士、調停員
後遺障害等級や示談提示額が出てくるとその数字を基に自賠責基準、任意保険基準、裁判所・弁護士基準などによって損害額を算出、保険会社との最終的な示談交渉をはじめることになります。最後にして最大の交渉場です。優柔不断な姿勢を廃し、譲歩するところは譲歩し、主張することは断固主張をする、という不退転の姿勢、意識でのぞみましょう。
ここで示談が成立しない場合、被害者側としても対抗策として弁護士を立てることになり(被害者の言動や要求が強引で強圧的な場合、先に加害者側から依頼を受けた弁護士が出てくることもあります)さらに調停での和解となりますが、ここでも譲り合えない場合は提訴することになります。
ここで問題です
どうです、いろんな人たちが出てきますよね。
ここでお尋ねしたいことがあります。
上記の人たちのうち、果たして何人が中立を守り、何人が被害者の味方をしてくれるとお思いですか?
登場人物の一覧
@警察 A救急隊員 B医師 C保険会社 D調査事務所 E加害者側弁護士 F被害者側弁護士 G調停員
3人以上と答えられた被害者の方は月日が経つにつれ、さぞかし想像と現実との相違に戸惑われることでしょう。
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