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事故後半年あたりでたいていの症状は固定するか、治癒のメドが立ちます。今後治療をしてもあまり改善の余地が見られないな、と担当医が判断したり、保険会社も補償の打ち切りを口にし、そろそろ示談交渉を、と言ってくる時期でもあります。
ある意味、医者と保険会社からサジを投げられたわけですから、実際にそう言われるとショックだと思います。しかし現実は現実。事態を冷静に受けとめ、今後のことを考え、前向きに対処しましょう。
痛みやキズが残っている場合、後遺症等級認定申請の手続をすることになります。担当医の診断書を添付し、申請書を加害者が加入する自賠責保険会社を通じ、損害保険料率算出機構(調査事務所)に認定申請することからはじまります。
この場合、認定申請は任意保険会社に任さず、ご自身で被害者請求されることを強くお薦めいたします。
といいますのも審査は原則書面審査です。医師が書いた診断書以外にも、セカンドオピニオンの意見書やご自身自らが箇条書きで症状による不備などを書面で添付することで、より詳しく実情を訴えることができるからです。
裏を返せば任意保険会社も顧問医などがセカンドオピニオンとしての立場で症状についてのマイナス意見書を添付する可能性もあるわけです。
保険会社というのは被害者を救済するために存在する慈善福祉事業ではありません。利益追求を求め、株主配当を義務づけられた営利目的の会社なのです。保険会社の社員の中には、真摯に被害者のことを考え配慮してくれる、良い人間もいるにはいますが、DNA的にも利益が最優先しますので、上司からクギを刺されたら途端に豹変、出費(費用)を抑えることに注力するようになります。人柄だけをことさら信用し、気を許したり油断をしてはいけません。
一度目の認定結果、被害者の思惑通りとは言い難い結果が出ることが多いですが、ここで諦めてはいけません。新たな立証書面(診断書や意見書、自覚書等)を提示し、異議申立をしなければいけません。
異議申立は何度も納得がいくまでできることになっていますが(時効もありますので注意が必要です)ので諦めないで下さい。
後遺障害の認定基準は労災のものを準用しています。労災の判定基準は肉体労働者(炭坑夫)を参考にしています。ついては手足が欠損したような他覚的視覚的な障害については容認しやすいのですが、昨今何かと引き合いに出され、話題になっている高次脳機能障害や低髄液圧症候群、さらには交通事故によって引き起こされたPTSDなどの目に見えない個人だけが感じることができる後遺症には元から不利な審査基準になっています。このあたりの改正が望まれるところですが、徐々にですが変革されてはいます。
また治療期間が長期に及び、生活費にも事欠くようになられる方や、保険会社から仮病ではないかと疑われ、治療費の打ち切り勧告をされたりして、とても戸惑っておられる方も結構おられます。でもそんなときこそ医師等とよく話し合いの場を持たれ、苦しみを打ち明け、打開策や解決策を見つけるべきで、決して妥協してはいけません。
後遺障害の等級も決まったが、なかなか保険会社等と意見が合わずに示談がまとまらない。ほとほと困っておられるなら、自動車保険請求相談センターや((財)交通事故紛争処理センター等に出向かれるか、弁護士会に問い合わせ、交通事故に詳しい弁護士さんをご紹介していただき、相談してみましょう。早期解決につながるはずです。
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